【名称】ティッサマハーラーマ(Tissamaharama)
【おすすめ度】★★★★★
【見れた動物】スナドリネコ、メンフクロウ、インドオオコウモリ、パームシベットなど
【ポイント】ヤーラ国立公園サファリの拠点となる町には、個性豊かな野生動物が数多く生息。スナドリネコやメンフクロウなど、動物園でお馴染みの動物たちの野生の姿を観察できる、動物好きにはぜひおすすめしたい、マイナーながらも魅力あふれる場所。
【料金】デイツアー:7,000LKR≒3,547円、ナイトツアー:9,000LKR≒4,561円
【アクセス】コロンボからバスで約4時間。
【公式サイト※今回お願いしたガイドのGoogle Maps】 https://maps.app.goo.gl/tEgJoSySW4SbbfTK6
※2025年12月

中国・成都のパンダに別れを告げ、5時間のフライトを経てスリランカのコロンボに到着。
ずっと訪れたかった国に、ついに足を踏み入れました!
冬、しかも深夜の到着だったにもかかわらず、南アジアらしい湿気が出迎えてくれ、異国の地に来たのだと実感しました。
翌朝さっそく最初の目的地を目指し、バスでティッサマハーラーマという町へ向かいます。
バスの時間は調べても分からず、とりあえずコロンボ駅近くのバスターミナルへ。
その場にいた人に確認すると11時15分発で予約は不要とのこと。
出発まで少し時間があったので町をぶらぶら歩き、再び戻ると、なんと満席で断られてしまいました。
出発の45分前に来たのにそんなことがあるとは。
それでもキャンセルや空席が出るだろうと考え、バスの入口付近で静かに(決してごねることなく)待っていると、結局乗れることに。
なんとかなるだろうという、旅人の勘が冴えました。

スリランカのバスの車内は、装飾がとにかく賑やか。
この後も何度か乗りましたが、どのバスも個性的でギラギラしています。
ただ、アフリカと違って音楽が騒がしいわけではないので、携帯で映画を見たり、外の景色をぼんやり眺めていると、あっという間にティッサマハーラーマに到着しました。
ティッサマハーラーマとは
スリランカ南部に位置するティッサマハーラーマ。
デバラウェワ湖、ティッサ湖、ヨーダ湖という3つの湖と、のどかな田園風景に囲まれた小さな町です。
この静かな町には、観光客向けの上質なホテルや雰囲気の良いレストランが点在しています。
その理由は、スリランカ屈指の野生動物の宝庫であるヤーラ国立公園へのサファリの拠点となっているからです。
今回は日程が限られていたこともあり、無理はせず、その場で申し込めた宿泊先で翌日のフルデイツアーを手配しました。
予定より早く到着できたので、そのまま町歩きへと出かけます。

闇に舞うインドオオコウモリ
観光スポットらしい場所はありませんが、さすがサファリの拠点となる町。
あちこちで動物の気配を感じます。
湖や田園には多種多様な鳥たちが暮らし、緑や花々と相まって穏やかな風景が広がります。

湖にはミズオオトカゲやクロコダイルの姿も見られ、生態系の豊かさを実感させてくれました。
そんな美しい景色の中で、ひときわ異彩を放つ場所があります。
ティッサ湖の南西、湖畔の木々に目を向けると、黒い物体がびっしりと密集しています。

その正体は無数のインドオオコウモリ!
コウモリの中でも大型の種で、翼を広げると最大で1.5mにもなり、キツネのような顔立ちから英語では“Flying Fox”と呼ばれています。
単体で見れば可愛らしいのある顔をしていますが、群れとなると印象は一変し。
無数の個体が折り重なるようにぶら下がる光景は、どこか悍ましさすら感じさせ、思わず鳥肌が立ちます。

夜行性のコウモリは、昼間はこの木々で休み、夕方になると一斉に飛び立っていきます。
最初はぽつぽつと飛び始めますが、やがてその数は増え、気づけば空はコウモリで埋め尽くされていました。
ムクドリの群れのような統率の取れた動きとは違い、右往左往と自由に舞うその姿は、気持ち悪いとも美しいとも言い切れない、なんとも不思議な光景です。

日中にぼんやりとコウモリを眺めている際、ひとりの男性に声をかけられました。
「どこから来たの?何をしに来たの?」
そんな定番のやり取りのあと、「動物は好きか?」と聞かれます。
どうせサファリの勧誘だろうと思い、「もう予約しているよ」と答えると、「そうじゃない」と首を振ります。
話を聞くと、彼は個人でガイドをしており、5種類のフクロウをはじめとした鳥類を案内するツアーや、ナイトツアーも行っているとのこと。
普段ならこんなにも怪しい誘いに乗ることはありませんが、フクロウに興味が出たこと、双眼鏡を持参していたこと、そしてそもそもセルフナイトツアーをするつもりだったこともあり、せっかくならローカルの視点を借りるのも面白そうだと思いました。
金額も納得できる範囲だったので、思い切ってお願いすることに。
結果として、とても良い出会いとなりました!
5種のフクロウ
バイクの二人乗りで、湖沿いの道を疾走。
ちょうど花が美しいシーズンで、風を切りながら進む道中はなんとも心地よい時間でした。
やがて湖畔の民家の庭に入り、そのまま奥へ進むと小さな森にたどり着きます。
「あそこを見てみろ」と指差された先にいたのは、モリスズメフクロウ(Jungle Owlet)。

森林に生息する、体長20cmほどの小さなフクロウです。
これを見つけ出してくれた瞬間、「この出会いは当たりだ!」と確信しました。
自分ひとりでは、まず見つけられなかった。
近くには、日本では渡り鳥、スリランカでは留鳥とされるアオバズク(Brown Boobook)の姿もありました。

半信半疑でついてきたとはいえ、この時点ですでに十分すぎる成果。
しかし、その後も素敵な出会いは続きます。
道中の茂みでふいにバイクが止まり、「ここを覗いてみろ」と言われて目を凝らすと、そこにいたのはオオコノハズク(Indian Scops Owl)。
夫婦でしょうか、気持ちよさそうに眠っています。

「どうしてそんなに簡単に見つけられるの?」と聞くと、「小さい頃から見ているし、経験だよ」と一言。
確かにその通りですが、こんなにも小さなフクロウを次々と見つけるのは、やはり並大抵ではありません。
どこの国でも同じですが、地元の人の眼はやはり確かです。
その後も別の民家の庭に入り込み、裏手の川沿いで次のフクロウを探します。
世界最大のフクロウの一種らしいのですが、なかなか見つかりません。

ポイントを変え、再び川辺を探していると、ついに発見!
やや距離はありましたが、双眼鏡越しにしっかりと確認できたのはミナミシマフクロウ(Brown Fish Owl)です。
名前の通り魚を主食とするため、川沿いの木々を探すのがコツだそうです。

川の中にまで入り、あらゆる角度から探してくれる彼の姿に、「疑ってごめん」と心の中で謝りました。
夕暮れ前、再びバットコロニーへ戻り、コウモリたちが飛び立つ様子を見届けたあと、最後のフクロウスポットへ向かいます。
コロニー近くの大きな木の下でバイクを降り、「ここで待てばいずれ来る」とのこと。
しばらく静かに待ち、時折ライトで様子を確認すると、トウヨウメンフクロウ(Eastern Barn Owl)がやってきました。
フクロウの中でも特に知名度の高い種で、その白く美しい神秘的な姿を野生で見られたことに、思わずにやり。

よく知る動物を野生で目にすると、自己肯定感が上がるため、とても嬉しかったです。
これにてフクロウ5種を無事コンプリート!
最小種から最大種まで見ることができました。
夜な夜な現れるスナドリネコ
大満足のデイツアーを終え、その場で翌日のナイトツアーもお願いすることにしました。
ヤーラ国立公園でのサファリを終えた後、宿までバイクで迎えに来てくれました。
(約束から30分以上遅れるのは海外あるあるなので今更怒りません。)
目標のとある動物を探すため、湖ではなく田園地帯の中へと進み、出現の瞬間を待ちます。
この日は、バズーカのような望遠カメラを持ったスリランカ人の写真愛好家も一緒であり、彼が持参していた高性能ライトを使いながら、動物に極力ストレスを与えないよう慎重に探していきます。
すると田園の隅で、ふたつの光るまなざしを発見。
現れたのは、スナドリネコです。

英語では“Fishing Cat”。ネコ科では珍しく水を怖がらず、魚などを捕らえるハンターです。
スリランカに生息していることすら知らなかったため、思いがけない出会いに興奮が止まりません。
偶然の出会いというのは、やはり格別です!
こちらを警戒しながらも、あぜ道をとことこと歩いていく姿が印象的でした。

このあたりでは夜な夜な魚を取るために田んぼに現れるそうですが、僕にとっては一生に一度あるかないかの出会い。
ヤーラ国立公園を目的に訪れたスリランカでしたが、来てよかったと一番強く感じたのは、まさにこの瞬間でした。
帰り際には、木の上にいたパームシベットの姿も捉えることができ、最後まで濃密な時間となりました。

怪しげな出会いから始まったこのツアーでしたが、結果として数々の思いがけない出会いに恵まれ、大満足の体験となりました。
ガイドの彼は非常に優秀で地域住民との関係も良く、通常は立ち入れない場所での動物観察を可能にしてくれるうえ、出会った動物の名前を後から一つひとつ丁寧に教えてくれる、そのサービス精神が特に印象的でした。
騙されたと思ってついていく。
そんな若い頃の怖いもの知らずな感覚も、時には大切だと改めて感じました。
もちろん、無理をしないことが旅では何より重要ですが、ほんの少し勇気を振り絞ることで、思いもよらない景色や出会いに巡り合えるのだと再認識しました。

