【名称】ケニア/マウントケニア野生動物保護区動物孤児院(Mount Kenya Wildlife Conservancy Animal Orphanage)
【おすすめ度】★★★★☆4
【見れた動物】ボンゴ、トムソンガゼル、エランド、リャマ、ウォーターバックなど。
【ポイント】ボンゴの希少な生息地のひとつであるケニア山の麓に広がる保護区内の動物孤児院。脚を失ったトムソンガゼルなど人間との軋轢の被害にあった動物を保護している。南米原産のリャマが施設の草食動物たちを守っている。
【料金】40$≒6,400円
【アクセス】首都ナイロビ(Nairobi)からナニュキ(Nanyuki)までマタツで約3時間。そこからバイクタクシーで約20分。
【公式サイト】
https://mountkenyawildlifeconservancy.org/animal-orphanage
※2024年7月
米田君の活動地であるオロイスクット保護区での約1ヶ月の滞在を終え、再び首都ナイロビへ。
大都会の豪華で豊かな食事を満喫し、今度はケニアの北へ向かいました。
お目当ては赤道直下の町ナニュキの近郊にあるマウントケニア野生動物保護区動物孤児院です。
マウントケニア野生動物保護区動物孤児院とは
ケニア最高峰のマウントケニア。
その麓一帯にあるのがマウントケニア野生動物保護区です。
この保護区の特徴は何と言っても“森の魔術師”ことマウンテンボンゴが生息していること。
アフリカの標高4,000m以下の深い山地に生息している、赤茶のボディと白い線の模様が美しいアンテロープです。
独特な見た目をしていることから、ジャイアントパンダ、コビトカバ、オカピー、そしてボンゴと世界4大珍獣に数えられています。
そんな珍獣ですが、森林の減少等により個体数は激減、野生下ではたった100頭以下と推定されている超希少種です。
保護区の目的はこの絶滅危惧種ボンゴの個体数を増やすこと、守ること、そして教育プログラムを通じてボンゴという動物を知ってもらうことです。
そういった活動のひとつが保護区内にある動物孤児院の運営です。
孤児院はナニュキの中心部からバイクタクシーで約20分の場所に位置しています。
ナイロビでは重宝していたUberアプリが使えないため、道端で運転手に声をかけました。
交渉の末、片道300kshでオッケー。
天気が良ければケニア山のシルエットがはっきりと綺麗に見える田舎道を二人乗りで進みます。
気持ちの良い風にさらされながらフェアモント マウント ケニア サファリ クラブ(Fairmont Mount Kenya Safari Club)の立派なゲートに到着しました。
孤児院はこの高級ロッジの敷地内にあります。
孤児院に来た旨をいうと入ってすぐ右手にある建物で受付をするようにと言われました。
ここでバイタクとバイバイしたのですが、連絡先を聞いておくか何時間後に来てもらうか約束を取り付けておくのをおすすめします。
ロッジからは流しのバイタクを捕まえるのが難しいためです。
僕は失念しており、結果としては帰宅スタッフの車に乗せてもらってしまいました。(ちゃんとチップ払いました)
孤児院のさらに北部にはケニアの中でも変わった動物が多く生息するサンブル国立公園、近くには新鮮な鱒料理を食べられるトラウトツリーレストランがありますので、ナイロビからのツアーに組み込んでしまうのが、一番いい方法かと思います。
孤児院内の様子
受付兼お土産物屋で入園料を払い、中庭を進むと孤児院の小さな入口があります。
中に入ると早速ブッシュバックがお出迎え!
水辺の森林や藪に生息しているため、サバンナだと滅多にお目にかかれないため嬉しかったです。
観察していると男性スタッフに話しかけられました。
ここの孤児院ではひとグループごとにスタッフが付き案内をしてくれるとのことです。
エランド放飼場を抜けると、放し飼いの広場とそこを囲むように多種多様な動物がいました。
フェンスにぶつかり怪我をしたボンゴ、親を殺されたバッファロー、罠で脚を失ったトムソンガゼルやヒョウ、個体によっては野生に返せない動物もいます。
スタッフは一匹一匹丁寧に説明してくれると思いきや種名を言ってくるだけで、こちらが聞かないと詳細を話してくれませんでした。
種によっては掲示がありますが、放し飼いの動物たちに関しては何一つガイドがありませんでした。
ただ他のグループのスタッフは熱心に話している方もいたので、当たり外れがあるようです。(男性スタッフと解散した後別のグループの説明に聞き耳立ててました。)
“森の魔術師”ボンゴ
この日、施設には二頭のボンゴがいました。
そのうち一頭はメディカルチェック後の餌の時間ということで一時的に小さな囲いの中におり、ラッキーなことに至近距離でその美しい身体を見ることができました。
茶色のキャンバスに白い絵の具を垂らしたかのような模様はモダンアートのよう。
この森に溶け込むような縞模様と警戒心の高さ、俊敏さを持ち合わせており、ハンターから素早く逃げ隠れできてしてしまうことから“森の魔術師”という異名が付きました。
人や肉食動物を欺き、ひっとりと存続してほしいです。
ケニアで暮らすリャマ
この施設で暮らしている動物の中にアフリカでは見慣れない動物の姿がありました。
南米のアンデスに生息しているリャマです。
アフリカの野生下に絶対に居ない動物であるため、なぜここにいるのかとても不思議に思いました。
その答えは掲示版に。
なんとリャマは孤児たちを守るガーディアンとしてここに導入されたようです。
荷物運搬の手段として古くからアンデスの人々の生活を支えているリャマですが、実は警戒心が高く恐れ知らずの動物。
ハイエナやヒョウといった肉食動物対策のために、アフリカの草食動物たちと一緒に暮らしています。
そんな一面があるとは知らず、アフリカに来て南米の動物の豆知識を得ました。
繁殖にも成功しており、大学を通じて農家への導入や子どもたちのケニア山ハイキングの補助も担っているそうです。
ケニアまで来たからには、ケニアらしい動物、レアな動物を見たいかと思います。
マウントケニア野生動物保護区の動物孤児院では、世界四大珍獣かつ絶滅危惧種、そして2024年現在日本の動物園では飼育されていないマウンテンボンゴをじっくりと観察することができます。
その絵画のように美しい模様はぜひ肉眼で見てみてほしいです。
なお、孤児院では寄付の募集をしているので、興味のある方はぜひ訪問やウェブサイトで詳細をご確認ください。