マウントケニア野生動物保護区を後にし、またまた首都ナイロビへ。
次の目的地はケニア第二の都市モンバサです。
ナイロビに戻らずともモンバサへの足はありそうでしたが、あえてナイロビに戻りました。
どうしても体験してみたかった乗り物があったからです。
それがモンバサ・ナイロビ標準軌鉄道です!
モンバサ・ナイロビ標準軌鉄道とは
モンバサ・ナイロビ標準軌鉄道(Mombasa–Nairobi Standard Gauge Railway=SGR)はその名の通り、ケニアの首都ナイロビと港湾都市モンバサをつなぐ鉄道です。
前身はイギリスの植民地時代に建設されたウガンダ鉄道であり、この鉄道の建設中、人食いライオン事件で世界中を賑わせました。
老朽化のためウガンダ鉄道の線路は使われなくなったものの、そのすぐ近くに中国の支援を受け新しい線路が作られ、017年5月に開業しました。
490kmを約5-6時間かけて走るSGRは“ケニア版の新幹線”、そして“サファリトレイン”と呼ばれています。
なぜ“サファリトレイン”という異名を持っているのか、それは道中でサファリを楽しむことができるからです。
SGRはケニア最大の国立公園であるツァボ国立公園のツァボ・イーストというエリアを通ります。
この区間を走る約2時間の間、モンバサ行きの場合特に進行方向左側(北側)にツァボ・イーストの広大なサバンナが広がり、
特徴である赤褐色の土とアカシアが点在する景色の中、目を凝らしていると様々な野生動物を発見することができます。
2024年10月現在、 ナイロビ発・モンバサ発ともに8:00、15:00、22:00の3本が毎日運行しています。
その中でも特に8:00発と15:00発は、動物が活発になる午前中ないし夕方の時間帯にツァボ・イーストを通りますので、鉄道旅もサファリも楽しみたい方にはおすすめです。
チケットの購入と車内の様子
駅でも事前or当日購入できますが、オンラインでの事前予約がとても便利。
鉄道を運行しているMadaraka Expressのホームページから簡単に予約ができます。
週末は満席になってしまうこともありますので、余裕をもっての予約をおすすめします。
支払いに関してはケニアのモバイルマネーサービスM-PESAのみとなります。
一見不便に感じるかと思いますが、ケニアはこのM-PESAの普及率がものすごく高く、田舎の小さな商店や青空マーケット含め使えないところはないといっても過言ではないほど浸透しています。
登録も簡単ですし、余計な両替の必要がなくなるため、たとえ短期旅行だとしてもインストールしておくのが便利です。
支払いを終えると7桁のBooking Confirmation Number(予約確認番号)が発行されるので、こちらを忘れないようにしましょう。
出発当日。
ナイロビには2つ駅があり、SGRが出発するのはSGR Terminus Nairobiという駅です。
(同じくモンバサにも2つ駅があり、MOMBASA (SGR) TERMINUS/STATIONという駅です。)
日本だと時間に合わせて駅に向かいただ列車に乗るだけですが、ここケニアではホームに行くまでにチケット交換と、いくつかのセキュリティチェックを受ける必要があります。
駅構内に入る前にはX線検査と警察犬による嗅覚調査。
構内に入り端末機にて予約確認番号を入力しチケット発券した後、パスポートとチケットチェック、そしてまたX線検査がありました。
サクサク行ったとしても30分程度はかかりますので、出発の1時間以上前に駅についていると安心です。
最後のセキュリティチェックを終えるとナイロビ駅もモンバサ駅も広い待合所がありました。
割高ですがレストランやカフェ、キオスクがありますので、食事や軽食をとることもできます。
朝食がてらマンダジ(ケニア風ドーナツ)を食べていると、出発時間15分前にホームへ移動するようにアナウンスが流れました。
号車や席番はチケットに書いてあるので、それを見て列車に乗り込みます。
座席に関しては予約段階でもチケット発券段階でも選べません。
窓口もあるので聞けば変更できるかもしれませんが、完全ランダムのようでした。
どうしても北側の席が良い場合は車内で交渉するといいと思います。
座席クラスにはファーストクラスとセカンドクラスがあり、今回僕はセカンドクラスを購入しました。
通路を挟んで、2席と3席、向かい合わせになっている仕様です。
(ファーストクラスの場合、2席2席進行方向に向かっての座席配置となっています。)
座席は直角であり、シートがとても固かったので、お尻に引くものがあると良いと思います。
また、海外あるあるですが車内の冷房がきついので上着は必須です。
サファリトレインの車窓から
定刻通りに8:00に列車は出発。
8:00きっかりに動き始めたので、ここは本当にアフリカかと驚きました。
大都市ナイロビを離れるにつれて町風景、地方風景となり、約2時間後ツァボ・イースト内に入りました。
ここからは己の集中力と動体視力の勝負!
運よく北側の席が宛がわれたため、窓枠に携帯カメラを設置し、気合十分で動物探しに挑みました。
すると早速、視界にサバンナゾウが入ってきました!
車窓がビュンビュンと変わる中で 岩や木々ではなく動物を探し出すのはとても困難かなと思っていました。
ですが、地上最大の動物はやはり目立ちますので、景色に集中していればほぼ確実に見れるかと思います。
その後もたくさんのゾウを見ることができ、中には30頭を超える大きな群れの姿を確認することができました。
車内から動物を探す際のコツとしては、顔を動かして色々な方向を探すよりも、視線を一定に保ち、広い範囲を俯瞰的に捉えるようにすることです。
焦点を一点に絞らず、全体的に見ることで、動くものや変わった形のもの、つまり動物を見つけやすくなります。
また窓に対して直角に眺めるのではなく、進行方向に向かって斜めに構えるのがおすすめです。
そうすることによって動物を発見した後、観察時間をたっぷりととることができるからです。
結果としてゾウは30頭以上、他にはキリンにシマウマ、ヌー、エランド、ゲムズボックを肉眼で確認することができました!
喜びに浸っている時、車内販売がやってきました。
こちらも割高ではありましたが、軽食やスナックが用意されており、さらにビールまで手に入れることができました。
サファリトレインの旅に乾杯!
広大なサバンナを走りながら味わうビールは格別です。
ツァボ・イーストエリアを抜けてからはボーっとしたり電子書籍を読んだりして過ごしました。
ナイロビ出発から6時間、何不自由なくモンバサ駅に到着。
こちらも定刻通り14:00ピッタリでした。
タンザン鉄道やアイアントレイン、トランスガボン鉄道などアフリカ内には数多くの鉄道が走っており、その中には国立公園を横断するものも少なくありません。
その中でもこのモンバサ・ナイロビ標準軌鉄道は、トップクラスに野生動物が見れる路線だと思います。
窓際にへばりつき、夢中になって動物観察を楽しみました!
大草原に目を凝らしながら、急速に移り変わる景色の中で野生動物を探す体験は、通常のゲームドライブとはまた違った、新鮮なドキドキとワクワク感がありました。
また、止まることができないので、自分だけが見れたかもという優越感も味わえます。
動物を見つけるたびに心が躍り、時間の経過を忘れてしまうほどでした。
写真はうまくとれない、窓に張り付いていないといけないなど、難しい部分もありますが、長時間の移動もあっという間に感じられる特別な体験です。
ぜひチャレンジしてみてください。