ドイツ/オッターセンター~カントリーサイドのユニークな展示~


【名称】オッターセンター(OTTER-ZENTRUM)

【おすすめ度】★★★☆☆3

【見れた動物】ユーラシアカワウソ、ミンク、ムナジロテン(イシテン)など。

【ポイント】自然保護の普及啓発を目的と施設。元々ある自然環境そのまま使用した飼育場にカワウソを中心に10種類ほどのイタチ科の小動物が展示されている。

【料金】12€≒2,042円

【アクセス】ドイツ国鉄DBにて各地よりWittingen駅へ。そこからHankensbüttel行きのバスで20分程。Hankensbüttel/Schulzentrumバス停徒歩すぐ。

【公式サイト】https://otterzentrum.de/otter-zentrum

※2024年5月

OTTER-ZENTRUM_ferret


ベルリン動物園のカバの飼育舎に感動した翌日、ドイツのカントリーサイドへ電車の旅がスタートしました。

Hankensbüttel(ハンケンシュビュッテル)という小さな町に、気になっていた施設があるからです。

Instagramで流れてきて知り、「なんだここは?」とずっとGoogle mapにピンを止めていた場所です。

Wi-Fiも飛んでいる清潔な電車に乗り、ベルリン中央駅からWittingen(ウィッティンゲン)駅へ。

そこから路線バスに乗り換え、Hankensbüttelに到着しました!

小さくてとても可愛らしい町です。

Hankensbüttel_townscape
一本入ると、のどかな住宅街風景が広がっています

後半で紹介しますが、宿泊施設もとても素敵でした。

チェックインをした後、歩いてお目当ての施設へ。

オッターセンター(OTTER-ZENTRUM)へとやってきました。

OTTER-ZENTRUM_gate
カワウソがお出迎え

OTTER-ZENTRUMとは

1988年にオープンしたオッターセンターは自然保護の意識を持ってもらうことを目的とした施設です。

元々はカワウソの調査施設でありましたが、普及啓発のための施設へと生まれ変わり、現在はヨーロッパカワウソおよび近縁種のイタチやテンなど10種類ほどの小動物を飼育しています。

ユニークな情報展示や餌付けプログラム、オリエンテーションプログラム、アスレチックなどを通し、老若男女問わず楽しみながら自然や動物について学ぶことができます。

平日ということもあり、園内には小学生の団体がたくさんいました。

園内の様子

オッターセンターは湖沿いの森林公園の中に作られています。

木道が整備されており、ベンチや広場もあるため、丸一日のんびりと過ごすこともできます。

木々や小川、茂みといった自然環境がそのまま飼育場になっているため、この中で小動物を探すのはとても大変でした。

OTTER-ZENTRUM_badger
入り口から最も近いアナグマ飼育場を見て絶望しました

「これは無謀だな。」と行く先々で感じましたが、せっかくはるばる来たので全種観察に挑戦!

飼育場全体に目を凝らしているとすぐ眼下にいたり、諦めて行こうとしたらひょいと顔を覗かれてくれたり。

OTTER-ZENTRUM_Mink
奥の方を探していたら足元にいたヨーロッパミンク

何食わぬ顔で飼育場の一番わかりやすいところにいたり、ガラス張り越しで寝ていたり。

OTTER-ZENTRUM_Pine Marten
ひょっこり現れたマツテン

彼ら彼女らのサービス精神のおかげもあり、無事にカワウソ犬をのぞく全種類に出会うことができました。

15分から30分刻みでどこかの動物へ餌付けが行われていますので、時間がない方や見つけるのが難しい方はスケジュールをチェックすることをおすすめします。

ドイツ語ですが飼育員の解説もありました。

OTTER-ZENTRUM_otter
ヨーロッパカワウソは探しだすことができず、餌やりを鑑賞しました

この日は残念ながら展示されていなかったカワウソ犬、Otterhound(オッターハウンド)。

イギリス原産の犬で13世紀から20世紀半ばまでカワウソ猟の相棒として活躍していました。

OTTER-ZENTRUM _Otterhound
嗅覚が鋭く水が得意なカワウソ犬

カワウソの皮は当時の富裕層に人気であり、狩猟が頻繁に行われたことが、絶滅危機の要因のひとつです。

1970年代に絶滅危惧種に指定されてからカワウソ狩猟も禁止されたため、オッターハウンドも飼い犬として暮らすようになりました。

世界に1,000頭前後と大谷翔平さんの愛犬コーイケルホンディエよりも希少な犬であったため、見てみたかったです。

皮肉のこもったムナジロテンの飼育場

特に面白いと感じた飼育環境がこちら。

OTTER-ZENTRUM_Martes foina1
ある意究極の生息環境展示

農家を再現した(もしかしたらそのまま使用した)、ムナジロテン(イシテン)の飼育場です。

ヨーロッパでは最もポピュラーと言われるムナジロテンは人に近い生息環境を好む動物です。

頻繁に家屋や物置に侵入し生活することから、害獣扱いされることもあります。

皮肉がこもった飼育舎の中で、2匹のムナジロテンが元気いっぱい動き回っていました。

OTTER-ZENTRUM_Martes foina2
身体能力の高いイシテン

餌やりの際にはスタッフが壁の中に果実を埋めたり、ロープに魚を巻き付けたりしていました。

ムナジロテンは非常に優れた身体能力を持っており、垂直の壁を軽々と登り、細いロープの上では逆さまになって移動しながら、巧みに餌を取り出して食べていました。

Hankensbüttelの宿泊施設

オッターセンターはとても小さく、餌やりの時間を含めても2-3時間の滞在で十分かと思います。

そのため、ハノーファーやウォルフスブルク、ハンブルグからは日帰りも可能です。

が、せっかくカントリーサイドに来たのであれば、都会では味わえないのどかな雰囲気を味わいたい!

ということでHankensbüttelの中心部、オッターセンターまで徒歩15分の立地にあるHotel zur Linde Hankensbüttelに宿泊しました。

予約サイトにはでてこず、Google Map上で発見しメールをしたところOKとすぐに回答をいただけました。(日本人は初めてだったそうで半信半疑だったそうです。)

Hotel zur Linde Hankensbüttel_1
ソーセージに甘いたれとカレー粉をまぶしたカリーヴルスト

オーナー夫婦はヤク牛の酪農家でもあったため、夕食はドイツ名物のヤク肉バージョンをいただきました。

歯ごたえあってジューシーでとても美味しく、今旅ヨーロッパで食べたものの中で一番美味しかったです。

ヤクを見たいというリクエストしたところ場所も教えてくれました!

Hotel zur Linde Hankensbüttel_2
ヤク自体の販売も行っているそうです

部屋も広く快適で、都会ばかり巡っていた僕にとって、ここでの時間はリフレッシュするのに最適なホテルでした。

町の雰囲気も良く、オッターセンターに行く際はぜひHankensbüttelに1泊し、穏やかな日々を過ごすことをおすすめします。