※2024年9月リライト
【名称】シェルドリック動物孤児院(Sheldrick Wildlife Trust Nairobi Nursery)
【おすすめ度】★★★★★5
【見れた動物】サバンナゾウ、クロサイ。
【ポイント】孤児となった仔ゾウや仔サイを救出し野生復帰までの支援をしているナイロビの施設。1日1回観光客向けの公開プログラムがあり、孤児たちの可愛らしい姿を見ながら動物保護について学べる。
【料金】入園料20$+ナイロビ国立公園入園料43$≒10,560円※予約必須
【アクセス】ナイロビ中心部からUberタクシーにて約30分
【公式サイト】https://www.sheldrickwildlifetrust.org/
※2024年8月再訪(2019年7月初回)
ジラフセンターに続いてシェルドリック動物孤児院へとやってきました。
こちらも5年ぶりの訪問です。
料金が高くなり予約も必須となったため、行くのを少し躊躇っていましたが、今回も行って正解でした。
ナイロビに来たらぜひみなさんに訪れてほしい、動物孤児たちのサンクチュアリです。
シェルドリック動物孤児院とは
ケニア全土で野生動物と自然環境の保護活動を行っているシェルドリック野生生物保護協会(Sheldrick Wildlife Trust Nursery)
そのプロジェクトのひとつとして1977年に設立されたのがシェルドリック動物孤児院です。
ナイロビ国立公園内にあるこの施設には、ゾウやサイの孤児が保護されています。
密猟者に親を殺されてしまったり、育児放棄など様々な理由から、この施設にやって来ざるを得なかった孤児たちを親代わりに育て、野生に返す取り組みがされています。
毎日11時~12時の間に公開プログラムがあり、そこでは愛くるしい仔ゾウや仔サイの姿を観察しつつ、野生動物のリアルを学ぶことができます。
予約方法
2024年8月現在、訪問には予約必須、当日受付は不可となっておりました。(5年前は不要で直接行って大丈夫でした。)
また詳しくは後述しますが、孤児院の入園料に加えてナイロビ国立公園の入場料43$の支払いが義務付けられていました。
孤児院とナイロビ国立公園サファリは同日に行ったほうが、入場料が倍かからなくてすみます。
僕は当初シェルドリック動物孤児院のみを予定し予約していましたが、どうせならと思いナイロビ国立公園サファリも追加で行くことに。
その結果、孤児院予約、国立公園予約、サファリカー手配、移動手配とかなりの手間がかかってしまいました。
面倒くさいと感じた方は、旅行会社やVeltra、Viatorなどの大手ツアー販売会社を通じて1日ツアーを予約することをおすすめします。
ナイロビ国立公園半日サファリ、シェルドリック動物孤児院、ジラフセンターの3カ所を巡るツアーが多数揃っています。
さて、シェルドリック動物孤児院の訪問については、協会の公式ホームページのNairobi Nursery Visitingに詳しい予約方法について書かれています。
・向こう3カ月以内の予約が可能
・予約には「訪問希望日」「大人と子どものチケットの枚数」「大人の氏名」「子どもの氏名と年齢」をナイロビオフィスに連絡する(コンタクトフォームより可能)
・返信と確認書が来たら予約完了
・入園料(=寄付金)は観光客の大人1人あたり20$以上、当日現金のみ
・上記の入園料とは別途でナイロビ国立公園の入場料の支払いが義務付けられている
混んでいるという噂も聞いたので訪問希望日の3週間前にコンタクトフォームより連絡しました。
申込をした翌日にOKという予約完了メールが。
あっさり予約完了です!
ややこしかったのがナイロビ国立公園の入場料支払いの部分。
ケニア国民および訪問者が様々な公共サービスにアクセスできるプラットフォームeCitizen経由でケニア野生生物局 (Kenya Wildlife Service)にナイロビ国立公園の入場料を支払う必要があります。
ケニアに住んでいる方、ケニアでビジネスをしている方にとってはオンラインで申請が完結するのはとても便利かと思いますが、観光客にとってはやや面倒くさい。
・eCitizenのアカウントを作成&ログイン
・KWSのページより NATIONAL PARKS を選択
・以降、訪問者や訪問日、車の数などをフォームに入力し申請。
・クレジットカードやm-pesaでオンライン支払。
ナイロビ国立公園の入場料はKWSの料金表のURBAN SAFARIに当てはまり、観光客の大人は43$となります。
フォーム入力と支払いを終えるとすぐにメールで、領収書とQRcord付のeチケットが送られてきました。
この後にナイロビ国立公園サファリもすることに決め、Viator経由で半日サファリの車のみを予約。
ナイロビ国立公園e-ticketは一度公園を出てしまうと無効になってしまうとのことで、ツアー会社のほうから孤児院のプログラムが終わっても孤児院の敷地からでないようにと言われました。
当日は孤児院のスタッフにも同じことを言われ、ベンチでサファリカーを待たせていただきました。
バラバラに手配した場合はツアー会社や孤児院にその旨を相談し、購入したチケットが無駄にならないように注意してください。
尻尾を失った仔サイ
予約日当日、プログラムは11時からですが良い場所を確保したかったので、10:20頃にMagadi Rd(マガディーロード)沿いのナイロビ国立公園ゲートに到着しました。
まずはゲートスタッフに孤児院に来た旨と国立公園のeチケットを提示。
車があれば孤児院入口までそのまま行けますが、僕は無かったので別のスタッフが送ってくれました。
入口に到着すると受付担当のスタッフがおり、ここで予約名と番号を伝え、孤児院の入園料を支払いました。
15分前に開園し、5年前と変わりないバスケットコートほどの大きさの運動場へとやってきました。
プログラムが始まり最初にやってきたのはクロサイの孤児。
スタッフの後にぴったりとくっついて運動場を歩き回ります。
この間にスタッフから仔サイについての説明がありました。
スワヒリ語で喜びを意味するRahaと名付けられた2歳のクロサイの雌は生後数日の時にケニア北部のオル・ペジェタ保護区で救助されました。
肉食動物に襲われ臀部に大きな怪我を負っていた状態でした。
孤児院に来てからは治療や新たな生活への不安を乗り越え、順調に野生復帰への道を進んでいるようです。
親を失った理由は不明とのことですが、親代わりのスタッフや仲間たちに愛情を受け、すくすくと育ちました。
大人のクロサイは警戒心が高くサバンナの中でも特に危険な動物ですが、子どもは本当に可愛いです。
ひょっこひょっこと歩く姿にみんな釘付けになっていました。
無事に野生に戻れることを祈っています。
尻尾を失った仔サイ
Rahaが帰った後は仔ゾウの登場です。
ミルク目掛けて一目散に走ってきました!
余程お腹が空いていたのか勢いよくミルクを飲みほします。
ミルクを飲んだ後は自由時間。
餌を食べたり、泥で遊んだり、水浴びしたり、思い思いの時間を過ごしていました。
3回に分けて合計21頭の仔ゾウがでてきました。
仔ゾウが遊んでいる間に1頭1頭丁寧に名前やどういう経緯で孤児院に来たのかをスタッフが説明してくれます。
この子は発見当時立ち上がれないほど衰弱していた。
この子はマンホールに落ちているところを救助したものの、大人のゾウとの衝突があり孤児院へ泣く泣く連れてくるしかなかった。
この子は親が射殺されてしまい、その脇で泣いていた。
などなど。
元気いっぱいに遊んでいる姿からは想像し難い辛い過去がどの仔ゾウにもあります。
予定通り12時に全てのゾウは帰っていきました。
入口付近にはお土産が並べられており、購入した金額もこの施設運営に充てられます。
またお気に入り孤児を直接サポートすることもでき、申込がこの場でできます。
可愛いを全面に押し出しエンタメ要素満載で集客だけをしている施設には賛同できません。
しかし、シェルドリック動物孤児院は、可愛いをフックにし観光客を集めつつ、しっかりと普及啓発と資金確保を行い、動物保護に全力を尽くしている施設です。
稀に見るバランスのとれた場所であり、動物を飼育するすべての施設が本来目指していく姿かと思います。
個人的にとても応援している施設であり、ナイロビに来た際は必ず訪れてほしい場所です。
サファリでは難しい子どもの姿を間近に観察できますし、スタッフの言葉から何か特別な気付きが得られること間違いありません。
また、シェルドリック野生生物保護協会のホームページは非常に充実しており、飼育されている(いた)孤児の詳細プロフィールを見れますし、オンラインで支援することもできます。
こちらもぜひチェックしてみてください。