【名称】パリ植物園付属動物園(Ménagerie le Zoo du Jardin des Plantes)
【おすすめ度】★★★☆☆3
【見れた動物】キエリテン、アノア、ガウル、ゴーラル、シロイワヤギ、ナンドゥ、ヒョウ、マレーバクなど。
【ポイント】メナジェリー起源の世界で2番目に古い動物園。中世ヨーロッパの歴史を物語る建物が飼育舎として使用されている。一方で檻や金網がベースの古い展示方法が未だ多く採用されている。
【料金】13€≒3,807円
【アクセス】パリメトロ5号線Gare d’Austerlitz駅より徒歩5分。
【公式サイト】https://www.jardindesplantesdeparis.fr/fr/zoo
※2024年5月
色々大変でしたが、ガボンVisaを無事に取得。
<ガボンVisa>やーーーと取得!
— 動物旅人🇰🇪Mamo (@zoottotabishiyo) May 16, 2024
e-Visa申請しても音信不通。🇯🇵の📷大使館に連絡したら大使館直接の方がいいとのこと。現在(2024年5月15日)は日本人対象のアライバルビザはないそうです!なのでパリ📷大使館へ。往復航空券と滞在期間すべてのホテル予約情報提出必須でした。1/2 🇬🇦
日本で取得するより2倍以上のお金がかかってしまいましたが、これで晴れて今旅一番の目的地であるガボンに入国できることになりました。
心の大きなしこりがとれ、清々しい気持ちでやってきたのはパリ植物園付属動物園です。
パリ植物園付属動物園とは
パリ中心部の植物園内にあるパリ植物園付属動物園は世界で2番目に古い動物園です。
世界最古の動物園であるオーストリアのシェーンブルン動物園に次にオープンしました。
フランス革命が勃発した際、ベルサイユ宮殿にいた動物が余剰となり、ここの場所に連れてこられました。
そして、これらの動物コレクションを市民に開放するメナジェリーとして1794年に開園。
その後、フランス国立自然史博物館の組織に加入したことにより、主に研究を目的とした動物園になりました。
220年以上の長い歴史の中で、フランス動物園史における数々のスターがうまれました。
エジプトから贈呈されフランス初のお披露目となったキリンのザラファ、146歳まで生きた250kgを超えるゾウガメのキキ、仲睦まじい姿をみせたライオンのヴォイラと猟犬のブラックなど、多くの人々を魅了してきました。
また、馬とシマウマがミックスした絶滅種クアッガを飼育し繁殖を目指していたり、野生絶滅種シフゾウの名付け親になったりと、興味深い取り組みも過去に行われていました。
実際に飼育していたクアッガの剥製は同植物園内にあるパリ国立自然史博物館の進化の大ギャラリーに展示されています。
剥製がずらっと並びかなり見ごたえあるので、動物園訪問の際はこちらの博物館も併せて行くことををおすすめします。
せっかくの歴史があるものの、園内には歴史に関する情報掲示はほぼありませんでした。
公式ホームページにしっかりと示されていますので、興味ある方はこちらをご覧ください。
HISTORY OF THE MÉNAGERIE, THE ZOO OF THE JARDIN DES PLANTES
STARS D’HIER ET D’AUJOURD’HUI À LA MÉNAGERIE
園内の様子
鬱蒼とした緑が生い茂り、無機質な金網や檻が立ち並ぶ園内は、昔ながらの動物園そのものです。
このような園の影響を受けて、日本の動物園が作られたのだと実感しました。
○○県の動物園ですと言われても、納得してしまう雰囲気です。
狭いスペースに動物が閉じ込められていると感じられる場所もいくつか見受けられました。
かつては大型動物がいましたが、現在は中小型の動物のみが飼育されています。
動物福祉先進国のひとつであるフランスだからこそ、大型動物をこれ以上無理に飼わないのでしょう。
キリンやマナティーがいたパリ動物園とは飼育されている動物が大きく異なり、意図的に飼育分けをしているのではないかと思います。
中世ヨーロッパを感じる建物
園内には中世ヨーロッパ時代に作られた建物が数多く残っており、保存対象になっています。
こちらはロタンダ(Rotunda=日本語で円形建築物)と名付けられた大型動物の飼育舎。
1812年に、皇帝ナポレオンによって制定フランスの最高位勲章レジオン・ドヌール勲章の十字架をモデルに建設されました。
丁寧に施された赤いレンガが重厚な雰囲気を醸し出しています。
現在は使われておりませんので中に入ることはできません。
水飲み場の名残がある屋外でリクガメが餌を食べていました。
内部の来園者側は自然光が輝く優しい空間だった一方、動物側には明かりが入らず狭く暗い空間だったそうです。
1937年に建てられ、2012年に改修されたビックキャットハウス。
中に入るとネコ科の絵がずらっと並び、真ん中にはライオン像が鎮座する豪華絢爛なホールとなっていました。
とてもシックで高級感があり、ダンスパーティーでも使えそうです。
ここには現在ヒョウやカラカルが暮らしています。
希少種がちらほら
研究目的の動物園ということだけあり、日本では飼育されていない珍しい動物もちらほらいました。
ビックキャットハウスにいたのはキエリテン。
パンダやインドリを彷彿とさせる白と黒のコントラストが可愛らしい動物です。
インドネシアのスラウェシ島固有種のアノアもいました。
野生の牛の中の最小種であり、野生下で2,500頭未満、動物園でも約200頭程しかいない超希少種です。
ほかにもガウル、ゴーラル、シロイワヤギ、そしてアルビノ?白変種?のナンドゥなど、2024年現在で日本で見ることのできない動物がいました。
ヨーロッパの主要動物園はほとんど訪問しましたが、一番歴史と古さを感じた園でした。
ザ・古いタイプの動物園です。
フランスはアニマルウェルフェアに対する意識が非常に高い国です。
ペットショップでの犬猫販売禁止やサーカスでの野生動物使用禁止、イルカショーの禁止といった動物福祉に関する法案がいくつも可決となっています。
この背景を踏まえて、パリ植物園付属動物園について、フランスは歴史や伝統に重きを置き現状を維持するのか、
または、迅速にリニューアルを進めるのか、
あるいは時代の流れを考慮し、他の主要国に先駆けて歴史的な動物園の閉鎖を決断するのか、
今後の動向に注目したいです。