【名称】アントワープ動物園(Zoo Antwerpen)
【おすすめ度】★★★★☆4
【見れた動物】グラウアーゴリラ(ヒガシローランドゴリラ)、オカピ、バビルサ、アジアゾウ、コモドドラゴンなど。
【ポイント】世界一美しい駅の隣にある歴史とモダンが融合した動物園。ニシローランドゴリラとヒガシゴリラを混合展示している。
【料金】32,50€≒5,580円
【アクセス】アントワープ中央駅隣。
【公式サイト】https://www.zooantwerpen.be/nl
※2024年5月
ゲーム風解説板を楽しんだオランダのブライドープ動物園を後にし、隣国ベルギーへ。
素通りする予定だったのですが、パリへ行く良い時間のフリックスバスがなく、せっかく来たのであればとアントワープにやってきました。
ベルギー第二の都市アントワープは中世からのダイヤモンド研磨の聖地。
そのため、ダイヤモンド販売店だけが立ち並ぶ異様な道があったり、ダイヤモンドビジネスを展開するユダヤ人の姿を多く見かけました。
「フランダースの犬」の最終回に出てくる大聖堂もあります。
気持ちの良い春空の下、アントワープ動物園にやってきました。
アントワープ動物園とは
ベルリン動物園オープンの前年である1843年にオープンしたアントワープ動物園。
日本がまだ鎖国していた時代に開園した世界最古の動物園のひとつです。
文化的な機能も果たしており、過去には園内でオリンピック競技やコンサートも行われたそうです。
アクセスは非常に簡単!
世界一美しい駅のひとつであるアントワープ中央駅すぐ隣にあるため、徒歩数秒で正面ゲートにつきます。
駅直結の動物園はとても珍しく、他には八木山動物公園くらいしか思いつきません。
園内の様子
チケット購入の際にいただいたMAPを見ると、モデルルートが記載がされていました。
動物園は複雑に通路が入り組んでいることが多く、全動物を見るためのルート設定に時間とられることがあります。
そのため、あらかじめ書いてあるととても助かります!
移転や改修を重ね近代化しているブライドープ動物園とは一転、アントワープ動物園ではその歴史を肌で感じることができます。
開園初期からあるヨーロッパらしい中庭やオカピが飼育されている東洋風の建物は、当時の様子を彷彿とさせます。
一方で一面ガラス張りのレストランや展望台が設置されたキリン舎など綺麗な場所もあり、横幅600 メートルで3つのフロアからなる新しい施設が完成予定となっています。
着々と進化している動物園です。
新旧が混じっていますが、建物の作りや色合いに統一感を感じました。
真意は不明ですが、日本の景観法のようなものがあり、落ち着いた雰囲気を保っているのではないでしょうか。
ひときわ異才を放っていた建物が元厚皮動物舎であるアジアゾウ舎。
壁面びっしりと、古代エジプト人や動物、ヒエログリフが描かれています。
古代エジプトでは地位の象徴として野生動物をペットにしていました。
現代のエジプトでは見ることのできないライオンやキリンもおり、どのように飼育していたのかが気になりました。
コンクリートであり掃除が簡単だからか、屋内はとても綺麗でした。
シンプルな屋内とは違い、屋外飼育場は砂と土がふんだんに使われ、随所に遊具がある広大なものでした。
特に泥のエリアが充実しており、いつでも泥遊びを楽しめる環境でした。
ちなみにですが、ベルギーは3つの公用語を持つ国です。
そのため解説板の種名はオランダ語、フランス語、ドイツ語、そして英語の4ヶ国語で表記されていました。
3ヶ国語以上の表記はエルサレム聖書動物園以来でした。
幻のヒガシゴリラ
大きくて力強いゴリラは動物園の人気動物。
アントワープ動物園においても、子どもから大人まで入れ替わり立ち替わりで観察にのめり込んでいました。
一方僕はとあるものを見て、驚愕しました。
解説板にニシローランドゴリラと”ヒガシゴリラ”の2種類が記載されていたからです。
ゴリラには、ニシローランドゴリラ、クロスリバーゴリラ、マウンテンゴリラ、グラウアーゴリラ(ヒガシローランドゴリラ)の4種類がいます。
2024年6月現在、日本の動物園には約20人のゴリラがいますが全員ニシローランドゴリラです。
また海外の動物園にいるという情報も掴めず、世界の動物園で飼育されているゴリラはすべてニシローランドゴリラだと認識してました。
そのため、最初は信じられませんでした。
とはいえ解説版には名前まで付けられているので、しばらく待っていることにしました。
すると、のそのそと黒い塊が通路の下からでてきました。
願っても無かったヒガシゴリラとの初対面です。
グラウアーゴリラ(ヒガシ”ローランド”ゴリラ)と飼育員さんはおっしゃってました。
孤児のところを救われて園に来たそうです。
あまりにも驚きすぎて、いつ来たか聞くの忘れたの未だに後悔してます。 →1994年来園だそうです。(フォロワーさんに教えていただきました)
もともと2頭でしたが、現在はこのメス一人になってしまったとのことです。
グラウアーゴリラはニシローランドゴリラよりも毛深く黒いゴリラ。
より強く、勇ましく見えます。
また、ゴリラの中で最も大きくなる種であるため、地球最大の霊長類といえます。
赤茶の頭頂部を持ち短毛のニシローランドゴリラも同じ飼育舎にいるため、見比べることができます。
画面越しではなくガラス越し、時間を気にせずに好きなだけかつ好きな角度から比較ができる、
さらに安全も確保されているという究極の環境でのゴリラ観察。
とても楽しく贅沢な時間を過ごすことができました。
SNS映え間違いなしの水族館
アントワープ動物園内には小さなアクアリウムもあります。
外観はいたって普通でしたが、中に入るとフォトジェニックな空間が広がっていました。
真っ白で統一されており余計な装飾もないため、魚が泳ぐ水槽の青い色が鮮やかに浮かびます。
四国水族館にも負けない映えスポットでした。
数々の動物園でニシローランドゴリラ、ウガンダでマウンテンゴリラ、そして今回アントワープ動物園でヒガシローランドゴリラと対面することができました。
残すはクロスリバーゴリラだけです。
ナイジェリア南部とカメルーンの国境地域に位置するクロス川源流域のみに暮らす種のため、とても観察ハードルが高いです。
大型類人猿4種(ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、ボノボ)のうち唯一野生下で見ていないボノボが先か、クロスリバーゴリラが先か。
コンゴ民主共和国が先か、ナイジェリアorカメルーンが先か
これはもういつか行くしかないのですね。
まだまだ動物旅はやめられません。