【名称】ソウル動物園(Seoul Zoo)
【おすすめ度】★★★★★5
【見れた動物】セーブルアンテロープ、アカハナグマ、アジアゾウ、ツキノワグマなど
【ポイント】世界最高水準の動物福祉が認められた動物園。広大な敷地に暮らす動物の飼育場には秀逸な環境エンリッチメントが施されている。
【料金】5,000KRW≒543円
【アクセス】ソウル中心部の地下鉄4号線大公園(テコンウォン)駅より徒歩10分
【公式サイト】https://grandpark.seoul.go.kr/conts/contsView/en/S002002001001.do
日本から一番近い国、韓国の首都ソウル。
買い物、美容、グルメなど魅力的なコンテンツを誇り、若い世代を中心に多くの観光客を惹きつける都市です。
日本からサクッと行けることもあり、リピートしたことある人も多いのではないでしょうか。
韓国に初めて訪問する人もリピーターの方もぜひ次の訪問先にしてほしいのがソウル動物園です!
お隣の国と言えども、日本の動物園とは違う”海外の動物園”の世界が広がっていました。
ソウル動物園とは
ソウル中心を流れる漢江南部、国立現代美術館や遊園地ソウルランドを要するソウル大公園の中にソウル動物園はあります。
1984年にオープンしたこの動物園の広さは植物園含め242万ヘクタール、なんと日本最大級のズーラシアや多摩動物園の4倍!
この広大な敷地に300種以上の動物たちがのんびりと暮らしています。
またソウル動物園は動物福祉に関して世界最高水準の動物園です!
専門家によって世界最高水準の動物福祉が認められた園のみが得られるAZA(Association of Zoos and Aquariums)認証をアジアで初めて獲得した実績があります。
2023年現在、日本の動物園のみならず、世界的に有名なシンガポール動物園やシェーンブルン動物園でさえ認定されていないことを考えると、とてもすごいことです。
動物園の情報がまさにインターネット情報システムに告示され、透明に運営されています。 血液検査の結果も動物の死亡情報も見られます。
アクセスは非常に簡単でソウル中心部の地下鉄4号線大公園(テコンウォン)駅より徒歩10分、明洞から乗り換えなしで30分程度で行くことができます。
緑に溢れた園内は、人が行き交うにも充分な道幅があり、閉塞感はまったくありませんでした。
とにかく広いので散策は疲れますが、売店や休憩スポットなどもとても充実していました。
秀逸な環境エンリッチメント
動物たちはアフリカ園や南米館、猛禽舎や熊舎など、生息地あるいは同種のエリアに分かれて暮らしています。
広い動物園なので当然動物が暮らす飼育場も広大。
大型動物は活動するのに充分な広さが与えられ、優雅に過ごしていました。
動物福祉が進んでいく世の中となり、動物本来の生息地の再現やフィーダーや遊びの設置、動きの幅が増えるような工夫といった取り組みをするのは当然です。
「採食」「社会」「認知」「感覚」「空間」の5つの環境エンリッチメントの導入が日本の動物園よりも秀逸だと感じました。
また特定の人気動物のみならず、ほとんどすべての動物に対して、それぞれの暮らしや習性に応じた工夫を凝らしていました。
例えば熊舎。
豊富な草木や土、プール、木陰、遊具を取り入れる飼育場は他の園でも見受けられますが、
ソウル動物園はこれらに加え、滝や滝裏のスペース、餌用の穴がある木登り用の木、なんと洞穴まで設置していました!
作りこみようが凄かった。
さすがAZA認証を受けただけあります。
いつでも人の視線から逃げられる場所があるのは良いですね!
群れで暮らす動物は群れで飼育していました。
アジアゾウは6頭、カバは4頭、日本の動物園には今いないセーブルアンテロープは約10頭、同じ場所で暮らしています。
多頭飼育がされてても狭さを感じさせないほどの充分な広さがありました。
小動物が暮らすパビリオン
小動物や小型の鳥類は基本的にパビリオン(館)にいます。
どのパビリオンも天井が高く、室内とは思えないほどの開放感がありました。
とはいえ屋外よりはもちろん1種あたりの敷地面積は狭くなります。
狭くなった分は上と下の空間をうまく利用していました!
吹き抜けや階層を作ることで、動物はこれでもかというほど動きまわることができます。
アカハナグマの飼育場はなんと三階建てアスレチック付き!
蔑ろにされやすいオウムやインコも飛び回ることができていました。
超巨大なバードケージや昆虫館もありました。
イルカショーを禁じた韓国
2022年に韓国ではイルカショーを禁じる法案が可決されました。
鯨類の輸入も禁止している国でもあります。
ソウル動物園は韓国のイルカショーはじまりの場所でありますが、現在はイルカの飼育も行っておりません。
海洋館では海獣類のみが暮らしており、ショー会場であった建物はミュージアムとなっています。
2013年7月、ソウル動物園はアジアで初めて飼育イルカを野生に戻しました。
以降、動物園や水族館で飼育されていたイルカを野生に返すプログラムが韓国では着々と行われており、それらについて展示やビデオ(英語字幕あり)で学ぶことができます。
欧米を中心に動物のショー利用を廃止する動きが盛り上がっていますが、アジアの国でも可決されているのには驚きました。
海洋館近くにはカワウソが野生に帰るための練習場もありました。
まとめ
開業40年近いため老朽化は否めません。
またガラスや建物の汚れなど、清掃や改修が行き届いておらずお世辞でも綺麗とは言えない場所もありました。
ただ日本の動物園と違い人が快適に動物観察をするための改善は二の次、動物の暮らしの改善の方を優先しているという印象を受けました。
唯一ジャガーとピューマ、中型のサル類の飼育場が狭く面白味がありませんでしたが、アメリカ館が建設予定であり、そこに移るのではないかとのことです。
類人猿館や猛獣舎、南米館室外はまさに今リニューアル工事中であり2024年以降に生まれ変わるとのことです。
進化を続けるソウル動物園。
日本から手軽に行ける世界最高水準の動物園なので、特に日本の動物園関係者はぜひ訪問してほしいです。
僕もまた必ず再訪します!
あとがき
ソウル市で運営しているため、欧米水準なのに入園料が安いです。
改修のための予算確保も大変かと思うほか、韓国には数か所しか動物園はないため、思い切って入園料をあげればいいのになと思いました。