オーストリア/シェーンブルン動物園~世界最古の動物園~



【名称】シェーンブルン動物園(Tiergarten Schönbrunn)

【おすすめ度】★★★★★5

【見れた動物】ジャイアントパンダ、インドサイ、バイソン、オオアリクイなど。

【ポイント】世界遺産シェーンブルン宮殿と庭園群に属する世界最古の動物園。メナジェリーが起源であり、歴史のある建築物と最先端の生態的展示が融合しており、美術館のような雰囲気で古臭いといった印象は全くない。ガラス張りの展示も多く動物を至近距離で見ることができる。

【料金】22€≒2,728円(ウィーンパスも使えます)

【アクセス】Hietzing駅より徒歩10分。

【公式サイト】https://www.zoovienna.at/en/

※2019年6月

世界最古のシェーンブルン動物園


音楽と歴史の街ウィーン。

モーツァルトやベートーヴェンといった偉大な音楽家が暮らしていた首都は、その名残からか至るところで音楽に触れることができます。

世界遺産も多く点在しており、中でも「シェーンブルン宮殿と庭園群」は多くの観光客を魅了しています。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園近くのシェーンブルン宮殿
ハプスブルク家の夏の離宮であったシェーンブルン宮殿

その世界遺産の中に世界一古い動物園があります。

それがシェーンブルン動物園です。

シェーンブルン動物園とは

世界最古の動物園シェーンブルン動物園のゲート
世界最古の動物園であるシェーンブルン動物園

1752年に開園したシェーンブルン動物園は世界最古の動物園です。

1882年オープンの日本最古の動物園、上野動物園よりも100年以上前に建てられました。

18世紀、オーストリアを統治していたハプスブルク家の女帝マリア・テレジアがシェーンブルン宮殿や庭園の建設を進めていた頃、彼女の夫である神聖ローマ帝国の皇帝フランツ一世が、動物を集めて展示する施設「メナジェリー」を作ったのが、この動物園の始まりです

やがて市民に一般公開され、今では年間200万人以上が訪れる場所となりました。

また、最先端を走る動物園としても高い評価を得ています。

サバンナゾウの人工繁殖やジャイアントパンダが自然繁殖といった世界初の事例を作ったり、新しい展示方法を導入したり、動物学研究や教育活動を積極的に行っていたりと、世界の動物園をリードしている存在です。

シェーンブルン動物園へのアクセス


ウィーン中心部よりメトロに乗り、シェーンブルン宮殿の最寄駅と同じHietzing駅にて下車し、そこから歩いて10分で到着します。

バスもありますが、ウィーンのバスはドイツ語オンリーですし路線も複雑だったので、メトロで向かうのが一番楽な方法かと思います。

料金は通常22€。(2019年6月)

通常料金を払うよりも、お得の割引もあるウィーンパス(ウィーンの複数の施設に入場できるパス)の利用をおすすめします。

シェーンブルン動物園の園内

正門を抜け真っ直ぐに進むと、何やら趣がある建物がありました。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園のカイザーパビリオン
王族の食事会場が来園者のレストランに

かつて、女帝マリア・テレジアらが朝食をとっていたカイザーパビリオンです。

開園当初から残るこの建物ですが、現在はレストランとして使用されており、ランチやカフェタイムを楽しむことができます。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園のカイザーパビリオン内部
豪華絢爛なカイザーパビリオン内部

シェーンブルン動物園はこの建物を中心に放射線状に伸びた道沿いとその周りに動物が展示されています。

この構造は開園当時から変わりありません。

効率よく全部の動物を周りたいとなると、よく考えなければならない造りでした。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園
開園当時から変わらない園内の構図

歴史と近代が融合した最先端の展示方法

世界最古と聞くと古臭いイメージがありますが、シェーンブルン動物園は全くそんなことを感じさせない動物園です。

古い良き部分はそのままに新しい技術を持って進化し続けている園内は、静かで落ち着いた雰囲気が印象的でした。

宮殿の庭園内の動物園ということでアップダウンも少なく、歩きやすいのも特徴です。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園のカバ
広々としたカバの飼育場

屋外の飼育場には、動物にストレスがかからないように野生下の自然環境を再現した展示方法、生態的展示が取り入れられています。

緑が豊富であり、動物本来の行動を引き出すための工夫が随所に施されていました。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園のパンダ
どこの国に行ってもパンダは人気者

一方で屋内飼育場はというと、屋外とは一点ヨーロッパらしいお洒落な空間が広がっていました。

特にサル舎は美術館のようであり、動物園とは思えないほどです。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園のサル舎
美術館のようなシェーンブルン動物園のサル舎

また動物を第一に考えつつもエコやサステナブルに配慮した飼育舎の導入を進めています。

建築美としても見応えがあり、まさにウィーンらしいアーティスティックな要素もたくさんありました。

世界最古の動物園シェーンブルン動物園のキリン舎
スタイリッシュなキリン舎

まとめ

世界で2番目に古い動物園は1794年オープンしたパリ植物園付属動物園であり、シェーンブルン動物園の歴史との差は40年以上もあります。

そのため、訪問前までは正直なところボロボロで劣悪な環境があると思っていましたが、実際のところは素晴らしい園だと感じました。

歴史を感じさせつつも、動物や来園者への細やかな配慮が行き届いています。

欧州最高峰として常に評価され、世界動物園ランキングでも毎回上位に入る理由が納得できました。

世界最古という肩書に甘んじることなく、魅力的な展示の刷新や動物福祉の向上、そして動物の未来に注力し続けている動物園です。

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