【名称】ベルベデーレ動物園(Zoo Belvédère)
【おすすめ度】★★★☆☆3
【見れた動物】ライオン、ヨーロッパヒグマ、クジャク、アダックス、ダチョウ、ヒトコブラクダ、タヌキなど。
【ポイント】首都チュニスにある綺麗に整備された動物園。アフリカだけでなく世界中の動物を飼育展示している。ゴミ箱が異常に多かったりと異国の動物園ならではの楽しさがある。
【料金】2TND≒102円
【アクセス】チュニス中心部からタクシーで15分。
【公式サイト】無し。
※2024年5月
السلام عليكم アッサラームアライクム(アラビア語の挨拶)
チュニジア南部のサハラ砂漠でのスターウォーズロケ地巡りとサハラ動物園訪問を経て、首都チュニスへとやってきました。
世界遺産のチュニス旧市街や貴重なモザイク画の宝庫となっているバルドー博物館、車で30分ほどには地中海沿岸屈指の美しい町シディブサイドや古代の大国だったカルダゴ遺跡など、見どころが詰まった都市です。
チュニス中心部から北に3kmほど、ベルベデーレ公園の中にある動物園へとやってきました。
ベルベデーレ動物園とは
ベルベデーレ動物園(通称チュニス動物園)は英国風の庭園を模して作られたベルベデーレ公園の一角にあります。
1963年に開園した動物園はアクセスが良く入園料も安価、世界中の動物を飼育しているため地域住民にずっと愛され続けています。
緑も多くオアシス的な役割を果たしており、毎年80万人以上が訪れるそうです。
一方で来園者のマナーや動物の飼育環境に批判が集まっています。
2017年には来園者が投げた石でワニが死んでしまうという悲しい事件が起きてしまいました。
園内の様子
ワニの事件は訪問前に知っていたので、それほど汚く劣悪な動物園なのかとドキドキしていました。
同じイスラム圏であるため、エジプトのギザ動物園の嫌な思い出が蘇ります。
旧市街からタクシーに乗り15分ほど(8TND≒408円)で動物園前に到着。
公共交通機関もありそうでしたが、アラビア語とフランス語しか通じないのでわかりませんでした。
チュニジアはタクシーがとても安いですし、メーターが起動していればぼったくられる心配もほぼないので、こちらをおすすめします。
入園料は破格の2TND≒102円でした。
恐る恐る中に入るといい意味で拍子抜けしました。
園内は綺麗に整備されており、異様な雰囲気はまったくありません。
何一つ!とは言えませんでしたが、気にして歩かないとわからないほどゴミも落ちていませんでした。
それもそのはず、事件の影響からかはわかりませんが、ごみ箱が異常に多い。
10m間隔といっても過言ではありません。
驚くほど密集していた所もありました。
妙なポイントは他にもたくさんあります。
営業許可の有無がわからない露店や放し飼いのため園内をうろうろしているクジャクなど、次から次へと面白い発見が続きました。
プールに浮かぶゴミ
動物の飼育環境はどうだったかっと言うと、思ったより全然良かったです。
草食動物のエリアは面積が広く、のびのびと暮らせる環境でした。
暑さ対策の屋根や水場が少ないのは気になりましたが、他の園に比べて特別に悪いといったわけではありませんでした。
肉食動物の飼育舎は若干の窮屈感が目立ちました。
特にライオンはオスだけで7頭いたのですが、どの個体も狭い檻の中にいました。
ただその隣には大きな飼育場がありました、この日は出されていなかっただけかもしれません。
また、この飼育場は比較的新しそうだったので、飼育環境の改善に向けた取り組みも進行中であるように感じられました。
ひとつだけ残念だったのがヨーロッパヒグマの飼育場。
ヒグマ2頭が餌をねだる仕草をするため、園内でひときわ賑わっていた場所です。
ここのプールにビニール袋が浮いていました。
僕が見ていた時間ではないですが、ヒグマの行動に感化されゴミを投げ入れてしまう人がいたのでしょう。
これだけ周りにゴミ箱があるのにも関わらず、プールにあえて捨ててしまう人の気持ちはまったくわかりません。
注意喚起の看板はありましたがやる人はやってしまうので、来園者同士の見張りや声掛けが必要だと思います。
北アフリカらしい動物園
ベルベデーレ動物園にはパンフレットはありません。
マップや飼育動物の確認は園内の掲示板のみになります。
しかし、まったくあてにならないのが北アフリカの動物園の面白いところ。
ところどころ空室であったり、暑さに強いラクダやダチョウが至るところにいる様はセネガルやエジプトの動物園と同じです。
もちろんラクダやダチョウ以外にもいます。
チュニジアおよびアフリカだけでなく、世界中の動物が飼育展示されていました。
サハラ砂漠の厳しい環境に暮らすアダックスやウガンダ原産の大きな角を持つアンコーレ牛など、アフリカでも特に貴重な動物や
コンゴウインコやベンガルトラなど、チュニジアから遠い国々に暮らす動物、
そしてなんと日本が世界に誇る動物、タヌキもいました!
日本では馴染みの深い動物ですが、海外の動物園ではほとんど飼育されていません。
世界中のほとんどの動物が集まっているヨーロッパの動物園でも会えなかったので、まさかのチュニジアでの再会に驚きました。
残念ながら姿を拝むことはできませんでしたが、フランス語とアラビア語併記の解説板を見れたので満足です。
思わず笑ってしまう瞬間や、ツッコミたくなる場面が多々あったベルベデーレ動物園。
マイナー動物園ならではの楽しさが随所にありました。
首都チュニスを訪れた際には、ぜひ足を運び、異国の動物園ならではのユニークな魅力を味わってみてください。