ドイツ/ヘラブルン動物園~ミュンヘンの見事な無柵放養式展示~


【名称】ヘラブルン動物園(Tierpark Hellabrunn)

【おすすめ度】★★★★★5

【見れた動物】ホッキョクグマ、オランウータン、クズリ、ニアラ、タテガミオオカミ、ニルガイ、ダマガゼルなど。

【ポイント】川の水を利用した無柵放養式展示が園内全体に展開されており、美しい庭園のような動物園。飼育舎の建築美にも要注目。

【料金】18EUR≒3,101円

【アクセス】地下鉄 U3 Thalkirchen (Tierpark) 駅徒歩すぐ。

【公式サイト】https://www.hellabrunn.de/

※2024年5月

HellabrunnZoo_bison


台北市立動物園への弾丸訪問を経てやってきたのはドイツのミュンヘン。

ビールの都とも呼ばれている、ヨーロッパにおけるビールと醸造の中心地です。

世界最大のオクトーバーフェストが開催される地でもあります。

昼間からビール片手にピクニックやBBQを楽しむ方々を横目に、ヘランブルン動物園へ行ってきました。

HellabrunnZoo_entrance
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ヘラブルン動物園とは


1911年オープンと歴史のあるヘラブルン動物園には現在、500種を超える動物が暮らしています。

ヨーロッパでもっとも科学的に運営されている園のひとつであり、GeoZooを世界で初めて取り入れた動物園です。

GeoZoo(ゲオ動物園)とは動物を無作為、または近隣種でエリアを分けるのではなく、住んでる地域ごと飼育展示する方法。

“五感を使って世界を巡る旅”が動物園のコンセプトのひとつとなっています。

HellabrunnZoo_lion
風光明媚なライオン飼育場

アクセスは非常に簡単。

地下鉄 U3 Thalkirchen (Tierpark) 駅徒歩すぐであり、ミュンヘン中心部からバスも頻発しています。

園内の様子

ヘラブルン動物園はミュンヘン郊外を流れるイザール川という大きな川の氾濫原に作られています。

イザール川から園内に水をひき、そしてその水を動物と人間の間の水堀に流し込む、見事な無柵放養式展示が園内全体的に取り入れられていました。

HellabrunnZoo_DamaGzelle
今現在日本にはいないダマガゼルの飼育場

水堀があるため柵が低く、人と同じ高さの地面に動物がいるため、大自然の中にお邪魔したかのような感覚に包まれます。

子どもが入っちゃったり、落ちちゃったりしないのかなと心配になるほどです。

HellabrunnZoo_Rhino
覗き込めばインドサイ

また氾濫原という地形にあるからこそ、全面と言っても過言ではないほど平坦であり、とても歩きやすかったです。

開放感があり緑の気持ちの良い園内はお散歩としてもおすすめ!

僕がミュンヘン在住者だったら間違いなく年パスを購入します。

世界の夢の動物園

世界の動物園建築を解き明かした本“世界の夢の動物園”

世界の夢の動物園

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この本の中で一番多く飼育舎が紹介されているのが、ここヘラブルン動物園です。

掲載されていた中のホッキョクグマ舎とアジアゾウ舎、そして掲載されてはいませんがものすごく素敵だったオランウータン舎を紹介します。

ホッキョクグマ飼育舎

3頭のホッキョクグマが暮らす飼育舎の面積は3,000平方メートル。

ホッキョクグマ単独であればおそらく世界最大の飼育場かと思います。

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飼育舎全体像

通路の両端に全く違う雰囲気の2つの屋外飼育場があります。

1つ目は緑豊かな木々と芝生で作られた側。

岩や起伏に富んでおり、雪の無い夏の北極圏が表現されています。

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ツンドラを模したような部分もあります

もう一方はプールの面積が広く、大きな岩が点在するエリア。

ツルツルとした大きな岩は北極の氷のようです。

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雪のめったに降らないミュンヘンですが、プールの水は地下水が利用されており、常に冷たい水温を保てるとのことです。

3頭がいっせいに動き回っても狭さを感じさせない、迫力ある飼育場でした。

アジアゾウ飼育舎

1914年に建てられた飼育舎にはもともとは厚皮類(かつて提唱されていた動物の分類方法でありゾウやカバ、サイが該当する)が暮らしていました。

そこからリニューアルを重ね、インドムガール帝国の寺院を模した外観はそのままに、アジアゾウ専門の飼育舎になったとのことです。

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アジアゾウはどこでしょう?

屋内飼育場を中心に2つの広さ十分の屋外飼育場が展開されているアジアゾウ舎には、砂場、大きなプール、高木、芝、ちょっとした茂み、遊具といった環境エンリッチメントが盛りだくさん。

屋内飼育場にも砂場、プールがありました。

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2階もあります

オランウータン

上記2つの飼育場よりも驚いたのがオランウータン舎。

植生豊かな地面の上に無数に浮かぶいくつもの円盤、それらをネットで覆うことで飼育舎全体を360度移動することができる仕様となっています。

アーティスティックなジャングルジム

近未来的でかっこいいデザインはヨーロッパらしい美の追求の表れだと感じました。

デザインや建築方法という観点からもヨーロッパの動物園は非常に面白く、ぜひ街中の中世の建物に飽きた方やせっかくヨーロッパに住んでいる方にもぜひ訪問してほしいです。

オランウータンはいろんな動きを見せてくれました

いつでも出入りできる屋内飼育場も遊び心満載です。

日差しがふんだんに入っており、温かみを感じました。

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右奥が外へと繋がる小窓

日本では見ることのできない動物

海外の動物園に来た時に忘れてはいけないこと。

それは日本の動物園で今見ることのできない動物を観察することです。

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タテガミオオカミの子ども

日本で飼育実績がなかったり訳アリで非公開だったり、過去飼育されていたけど残念ながら亡くなってしまったり。

アニマルウェルフェアの観点からも新しく動物を仕入れることが難しいと思いますので、観察できる機会は一生に一回になるはずです。(現地に行くという手がありますが、、、)

こちらは北半球に生息するイタチ科の最大種クズリ。

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躍動感あふれる写真が撮れました

日本語名より英語名ウルヴァリンの方が聞き馴染みあるかと思います。

そうあのマーベルヒーローは、この動物の獰猛で鋭い爪を持つところが由来となっています。

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元気いっぱい走り回っていました

他にもニアラ、タテガミオオカミ、ニルガイ、ダマガゼルなども、日本からはるばるミュンヘンに来た際は要チェックです!

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ニアラのオスは黒、メスは茶色

平坦で歩きやすく、風景美によりとても心が落ち着くヘランブル動物園。

旅行者、在住者、動物園好き、建築好き、すべての方におすすめしたい動物園です。

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