オーストラリア/シドニー~ザトウクジラが舞うホエールウォッチングクルーズ~


【名称】シドニー湾ホエールウォッチングクルーズ(Sydney Whale Watching Cruise)

【おすすめ度】★★★★★5

【見れた動物】ザトウクジラ、オーストラリアアシカ

【ポイント】南極からシドニー沿岸を移動するザトウクジラを観察するホエールウォッチング。毎年5月中旬から11月末、特に6月〜7月と9月〜10月がベストシーズンであり、運が良ければブリーチやテールスラップといった迫力満点の行動を見ることができる。

【料金】​54.30AUD≒5,329円

【アクセス】シドニー・ハーバーよりクルーズ船で観察スポットまで約30分。

※2024年9月

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_ザトウクジラ5

タスマニア島から再びシドニーへ帰着。

大自然から大都会へ戻ってきました。

シドニーにはタロンガ動物園のほか、いくつかの動物園や保護区、また野生のカンガルーが現れるスポットもあり、最後の一日をどう過ごそうか迷っていました。

世界遺産オペラハウスの前をフラフラと歩いていると、ふと目に留まったのがホエールウォッチングツアー。

ベストシーズンということで、海へ繰り出しました。

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シドニー湾ホエールウォッチングクルーズとは

世界3大美港のひとつに数えられるシドニー湾。

都市風景と紺碧の海が織りなすコントラストが美しく、世界中の人々を魅了する一大観光地です。

世界遺産オペラハウスもここに優雅に佇んでおり、シドニーの象徴としてその存在感を放っています。

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_ウミネコ
オペラハウスとウミネコ

この街の魅力は、散策やショッピング、グルメだけにとどまりません。

実は、ここシドニー湾では野生のザトウクジラに出会うことができるのです!

体長約12m〜16m、体重は数十トンにもなる大型のクジラは、季節によって繁殖地と餌場を回遊します。

シドニー湾はその回遊ルートの途中に位置しており、毎年5月中旬から11月末にかけて、特に6〜7月と9〜10月にはホエールウォッチングのベストシーズンを迎えます。

その遭遇率は90%を超えるとも言われています。

最大の見どころは、なんといってもザトウクジラのダイナミックな行動

大きく跳び上がって海面に体を叩きつける「ブリーチ」、潜る直前に尾びれを高く掲げる「ダウンダイブ」、ひれで海面を叩く「テールスラップ」や「ペックスラップ」など、運が良ければ、迫力あるパフォーマンスを間近で観察することができます。

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_ザトウクジラ10
ザトウクジラのテールスラップ

オペラハウス沿いの道には、ホエールウォッチングツアーを開催する各社のブースが並び、出航時間や船のタイプ、食事の有無など、会社によってさまざま。

料金も幅広く設定されています。

もちろん、ネット予約も充実しており、気軽に参加できるのも魅力のひとつです。

また、万が一クジラを見られなかった場合は3年以内に無料で再参加可能なホエールサイト保証が付いているツアーもありました。

出航

出航時間やコストを比較検討したうえで、Sydney Princess Cruisesのツアーに申し込みました。

約2時間のホエールウォッチングクルーズ、クジラの行動や生態、豆知識などを紹介するライブ解説付き、快適な乗り心地の船舶(屋根付きで、天候を問わず乗船可能)という内容です。

出発時間は15時45分。

出港場所であるサーキュラー・キーのイースタン・ポントゥーンには、出発の15分前までに集合でした。

Sydney Whale Watching Cruise (11)
50名程度の小型船に乗り込みました

乗船手続きを済ませると、スタッフがライフジャケットと防寒着を渡してくれました。

定刻になると船は静かに岸を離れ、美しいハーバービューの中をぐんぐんと進んでいきました。

シドニーの街並みが遠ざかるにつれ、海の表情も穏やかな湾内から、雄大な大海原へと変わっていきます。

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_クジラ待ち
クジラ待ちの際は揺れるので、気になる方は酔い止め必須です

やがて、ザトウクジラが姿を見せるというスポットに到着。

南半球を回遊するザトウクジラの数は、およそ36,000頭と推定されており、毎年平均11%ずつ増加しています。

とはいえ広大な海ででクジラをすぐに見つけられるわけではありません。

まずは「ブロウ」と呼ばれる行動を探します。

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_ザトウクジラ6
ザトウクジラのブロウ

ザトウクジラは哺乳類であるため、長時間潜水することができますが、呼吸のために定期的に海面へ浮上します。

その際に勢いよく吐き出す息―いわゆる潮吹き―は数メートルもの高さに達し、遠くからでも確認可能です。

この「ブロウ」が、クジラ発見の目印となります。

さすがはホエールウォッチングの名所。

まもなくスタッフがこの行動を見つけ、船はクジラの元へとさらに進んでいきました。

ザトウクジラが舞うシドニー湾

ついに、僕の肉眼でもザトウクジラの姿を捉えることができました。

海面には黒く大きな影がプカプカと浮かんでいます。

どうやらファミリーのようで、3頭いました。

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_ザトウクジラ4
ザトウクジラのファミリー

最初は浮いたり沈んだりを繰り返すだけでしたが、僕たちの船に心を許したのか、ついに待ち望んでいた行動を披露してくれました。

これぞまさにクジラの象徴ともいえる、尾びれを高く上げて潜る「ダウンダイブ」。

さらに、「テールスラップ(尾びれで水面を叩く動作)」まで見せてくれ、まさにクジラらしい迫力のパフォーマンスでした。

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_ザトウクジラ5
バタバタと尾びれを叩きつける「テールスラップ」

次はどんな行動を見れるのかとワクワクしていたところ、ザトウクジラがシドニーの海に舞いました。

ザトウクジラのブリーチ

ダイナミックなジャンプ「ブリーチ」です。

ブリーチはなかなか見ることができない行動で、正直まったく期待していなかったのですが、さすが僕の動物運。

写真や映像で何度も見たことはありましたが、まさか生で見られるとは思わず、しかも中途半端なジャンプではなく、全身が海面から完全に飛び出す大ジャンプでした。

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海を飛び出すほどの大ジャンプ

これまで観察してきた動物の中でも、トップクラスの迫力です。

さらに幸運なことに、何度もブリーチを繰り返してくれました。

オーストリアのシドニーホエールウォッチング_ザトウクジラ8
何度もブリーチを見せてくれました

クジラとの遭遇から約1時間、存分に観察を楽しむことができ、帰路ではオットセイや綺麗な夕日も見ることができました。

夕日とハーバービュー
夕日と世界遺産のハーバービュー

スタッフに「今日のように、複数の行動を長時間観察できることはよくあるのか」と尋ねると、「今日ほどの充実した観察は滅多にない」とのこと。

タスマニア島で野生のカモノハシウォンバットを見られた時点で十分に感動しましたが、シドニーでのこの体験は、オーストリア旅の最後を飾るまさに大サプライズでした。

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編集・執筆
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獣医や飼育だけじゃない動物仕事あれこれ。「就職活動時に読みたかった」「子供に読ませる」の声多数。ボランティア、今泉先生のど根性物語まで収録

獣医師(開業/勤務/動物園)/愛玩動物看護師/飼育員/広報

#2025木村仕事

↓続

動物観察旅専門メディア記事公開!

オーストラリア🇦🇺シドニー
ザトウクジラが舞うホエールウォッチングクルーズ

一年前のオーストラリア旅最終章
幸運にもダイナミックな「ブリッジ」や「テールスラップ」を観察することができました!🐳

https://zoottotabishiyou.com/archives/6215

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